アジア・太平洋戦争末期、1945年8月14日深夜から未明にかけて米軍が埼玉県熊谷市を空爆しました。死者は266人、街の大半が焼失しました。玉音放送から半日前の出来事です。いわゆる「最後の空襲」ですが、空襲は、ほぼ同時刻に、熊谷だけでなく、秋田、伊勢崎・高崎、小田原でも行われています、熊谷市民の私たちは、この空襲について長く調査・研究を重ねてきましたが、このたび、その成果を本にまとめることができました。
内容は、熊谷空襲の実相、空襲の歴史的意味、体験者の証言、熊谷在住文化人の座談会〈回想〉と資料(戦跡地図など)からなっていますが、中でも重要なのは体験者の証言です。本書では地元の高校生が体験者をインタビューするという形でまとめています。体験や記憶を若い世代につなげることは何よりも重要だと思います。
私たちはこの成果を「空襲・戦災記録を記録する」全国的な研究の場で問題提起をしたいと考えています。
加藤一夫(「熊谷空襲を忘れない市民の会」)
書籍の紹介
熊谷空襲を忘れない市民の会(熊谷空襲75周年記念出版プロジェクト)編
『最後の空襲 熊谷 8月14・15日戦禍の記憶と継承』
社会評論社、1800円
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