明治から昭和にかけて発行された市販の名古屋市街図を見ていくと、陸軍施設や兵器工場の拡大する様子を見ることができます。ところがある時から、それらの施設や工場が地図から消えてしまいます。地形図に至っては、陸軍施設と兵器工場のあった場所が市街地として描かれています。正確さを優先させてきた地図から事実が消され、地形図が「改描」された背景には戦時下の地図の作成・発行に関する法令がありました。
一方、地図から消えた陸軍施設・兵器工場の正確な地図が米軍によって作成され、実際の空襲目標として爆撃を受けます。
米国立公文書館所蔵の名古屋空襲前と空襲後の米軍撮影空中写真、国会図書館蔵GHQ職員モージャー氏が撮影した占領下の名古屋(カラースライド)、国立公文書館が公開する史料などを展示します。
企画展は、3月7日(火)から5月6日(土)まで。